数百年の歳月を生き抜いてきた巨樹にはさまざまな樹相や風貌があり、人を引き付ける魅力に事欠かない。活力、精気、生命力が伝わり、“神”の気配さえ感じる─という、巨樹に魅せられた著者が東北6県にある名木を訪ね歩き、よりすぐった53本を紹介した。
すべての樹木には著者が撮影した写真が添えられる。木全体を写したものは少なく、ほとんどは幹の根元付近が中心。岩手県軽米町の「古屋敷の千本カツラ」は「地表に浮き出た根は、まるで渓流の小滝のよう」(著者)と表現するように、迫力を感じさせる。この本を手に、東北の巨樹を巡る旅も悪くない。