東日本大震災の津波に襲われた自宅2階から、携帯電話で必死に助けを求めるメールを打ち続けた女性がいた。雄勝小学校の教師は、30kmの道のりを歩いてラジオ石巻にたどり着き、地区の惨状を伝えた。幼稚園にいる娘の安否がつかめず、わらをもすがる思いでラジオ石巻に飛び込み、情報を求める母親がいた。
甚大な被害を受けた石巻市の地域FM局「ラジオ石巻」はリスナー(聴取者)から数多くのSOSメールを受けた。生死の境にあるリスナーを助けたい―と、アナウンサーはメールや安否情報を伝え続けた。
ラジオの電波に“駆け込んだ”被災者らの「あの時」を振り返る。